夢ふくらまそう!  愛媛県議会議員 ふくら浩一の活動報告  ~大福日記~


愛媛県議会議員      ふくら浩一の活動報告
by fukura51
大福日記No.157  病腎移植を考える その1
7日、米国フロリダ大学医学部准教授である、藤田士朗医師の講演会が
県庁にて開催され、出席させていただきました。
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藤田医師の専門は、「臓器移植」であります。
市立宇和島病院で研修された時期があり、愛媛とゆかりがある方です。

「臓器移植」、「宇和島」といえば…
宇和島徳洲会病院の万波誠医師がすぐ頭に浮かぶでありましょう。

今回の講演も万波さんの話を中心に進められました。

万波医師は、1977年に四国初の腎移植を成功させて以来、700件もの
移植手術を成功させており、全国でもトップクラスの実績をもつ方であります。

皆さんもニュース番組で一度は見たことがあるでしょう?
70歳近くなっても、全く衰えを見せない高い技術と飾らないお人柄が
患者さんの絶大な信頼を集めており、全国から彼を頼ってくる患者さんが
あとを絶ちません。

そんな万波医師が、臓器売買疑惑に端を発し、病腎移植をしていたという
当時としてはショッキングな事実から、まるで犯罪者のように扱われたわけで
あります。

振り返ってみますと…
まず「臓器売買疑惑」でありますが、これは男性患者が知人から腎臓の
提供を受ける謝礼として、乗用車と現金30万円を渡していた、という事で
ありました。

おそらく…何がいかんの?という感覚の人もいるのではないかと思います。

日本移植学会は、第三者が生体移植のドナー(提供者)になると、金品の
やり取りなどの不正が起きる可能性があるため、ドナーを「親族」に限定する
倫理方針を設けているのです。

しかし、この重い腎不全を患っていた男性患者には残念ながら「親族」が
いなかったのです。
金品と引き換えに、ドナーになることを承諾してくれた知人の女性を
「内縁の妻の妹」と偽り、移植手術を受けました。

ドナーは「親族」でなければ駄目…
じゃあ親族がいない人はどうするんだろう?
親族に全て断られたらどうするんだろう?

移植しか生きる道が無かった、この男性患者の苦悩は容易に想像できます。

日本は極端なドナー不足であります。
脳死・心停止後のドナーは、平均で16年!待たないと提供を受けれません。

その間、患者さんは「人工透析」をするわけですが、「人工透析」で生き延びる
平均寿命は10年であります…
ドナーを待っている間に力尽きてしまう例があとを絶ちません。

法を犯してはなりませんが、その「法」そのものに不備があるんじゃないか?
患者の立場に立って、実情を踏まえたガイドラインを策定すべきじゃないか?
切実な問題であります。

by fukura51 | 2008-07-09 21:39 | 政務調査
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